資産形成

マイホームはいつ買う?ライフプランから逆算する家計の整え方【決定版】

◆ 憧れのマイホーム、でも「いつ買う?」が一番むずかしい

住宅展示場を見学した帰り道、「やっぱり家がほしいなあ」と思う。
でもその一方で、「このままローンを組んで本当に大丈夫?」「教育費や老後資金と両立できる?」と不安になる。

多くの人がこの「家を買いたい気持ち」と「将来への不安」の間で揺れています。
とくに20〜40代は、結婚、出産、転職、子育て、収入の変化など、人生のイベントが盛りだくさんな時期。買いどきの正解が見えにくいのも当然です。

この記事では、「マイホームはいつ買うべきか?」を「感覚」ではなくライフプランから逆算する方法を徹底解説。
家計の整え方と準備のステップも含めて、安心してマイホームを手に入れるためのロードマップをお届けします。


第1章:なぜ“今買う”ではなく“逆算して買う”ことが大切なのか?

●「家を買う=資産になる」時代はもう古い

かつては「家は資産」「早く買えば得」なんて言われていましたが、現代ではそうとは限りません。

なぜなら…

  • 人口減少により、空き家が増加 → 不動産価格は必ずしも上がらない
  • 働き方が多様化 → 転勤・転職・リモート勤務など生活拠点が変化しやすい
  • 子どもの進学・教育方針でエリアニーズが変わる可能性も

つまり、「家を買う=安心・安定」ではなくなりつつあり、ライフプランに合ったタイミングと条件で買うことが重要なのです。

● ローンは未来の生活に影響を与える“契約”

マイホーム=住宅ローンとセットになるのが一般的です。
ローンは「今買えるか」ではなく、「35年間返し続けられるか」を考える必要があります。

もし、将来こんなことが起きたら?

  • 転職で年収が一時的に下がる
  • 子どもの私立進学で想定外の教育費が発生
  • パートナーの体調不良や育児で共働きが困難に

こういった“想定外”の事態に備えた設計がなければ、ローンが重荷になる可能性があります。
つまり、“今の家計”ではなく“未来の生活”から逆算して買う準備を整えることが不可欠なのです。


第2章:マイホームのリアルな総費用と家計へのインパクトを知る

● マイホームは“本体価格+α”が現実

例えば「3,500万円の家を買いたい」と思ったとき、用意するべきお金はそれだけではありません。

費用項目金額の目安内容
物件価格3,500万円土地+建物の価格
頭金(10〜20%)350万〜700万円ローン借入額を減らすための前払い金
諸費用(5〜8%)175万〜280万円登記・手数料・税金など
引越し・家具・家電費50万〜100万円買い替え・新生活に必要な初期出費
合計初期費用約600万〜1,000万円手元資金として現金で必要になることも多い

つまり、3,500万円の家を買うには現金で600万円〜1,000万円の準備が必要というのが現実です。

仲介業者によっては手数料がゼロ円のところもあるので諸費用が安くなる場合があります。
頭金もなしでいい場合があります。

● 月々の支払い=ローン返済+維持費を忘れずに

よく「月々9万円のローンだから、今の家賃と変わらないし大丈夫!」という声を聞きます。
でも、マイホームは維持費がかかります。

項目月額の目安
ローン返済(35年1%)約9.9万円
固定資産税・都市計画税約1万円(年12万円)
管理費・修繕積立費約1万円〜1.5万円
火災・地震保険年額数万円(分割払い可)※一括納付の場合もあります。

→ 実質、毎月12万〜13万円以上の負担になるのが一般的です。


第3章:ライフプランを作って“自分の適切な買いどき”を見つけよう

● ライフプラン表の作成は家計の羅針盤

家を買うためには、「いつ・何に・どれくらいお金が必要か?」を可視化する必要があります。
Excelや無料テンプレートで作れる「ライフプラン表」で以下の内容を整理しましょう。

年齢イベント支出額収入の変化備考
33歳結婚・引越し100万円共働き開始
35歳第1子出産出産費・育休で収入減育児休業で収入一時ダウン
38歳マイホーム購入(予定)頭金500万円+諸費用住宅ローン開始
45歳子ども中学入学学費開始教育費月3万〜5万
55歳子ども大学進学年間100万〜150万円
65歳定年退職退職金+年金開始住宅ローン完済が理想

● 重要なのは“教育費ピーク”と“ローン返済”のバランス

家を買うタイミングを誤ると、大学の学費とローン返済が重なって「ダブルパンチ」になります。
「何歳でローンを始めて、何歳で完済したいか」を明確にした上で、教育費との重なりを避ける計画が必要です。


第4章:マイホームに向けた家計の整え方【5ステップ】

ステップ1|固定費の徹底見直しで“住宅資金枠”を作る

  • 通信費:キャリア→格安SIMで月5,000円カット
  • 保険:不要な医療・貯蓄型保険を見直して月8,000円カット
  • サブスク:使っていないサービスを解約して月3,000円カット

固定費だけで年間30〜50万円浮かせることも可能。これがそのまま頭金貯蓄になります。


ステップ2|目的別口座を作って“住宅資金貯金”を仕組み化

  • 給料日に「住宅資金専用口座」へ自動送金設定
  • できれば月3万以上、ボーナスで10万〜20万上乗せ
  • つみたてNISAなどの投資とは分けて、現金貯蓄を優先

3年で月3万貯めれば108万円、ボーナス加算で150万円以上の頭金が準備可能


ステップ3|教育・老後と同時に準備する「並行貯蓄」がカギ

「家を買いたいから、他は後回し」ではなく、

  • 教育費:ジュニアNISA or 学資保険(確実なプラン)
  • 老後資金:iDeCoで節税+資産形成

それぞれ「月5,000円〜1万円」でも良いので分散スタート。
“家だけに全力”は家計の偏りリスクが高くなります。


ステップ4|ローンは「返せる額」で設計する

  • 月々の返済額は手取り収入の20〜25%以内が理想
  • ボーナス払いに頼らず、月払いだけで成立する計画を組む
  • 金利上昇のリスクにも備えて、変動 vs 固定を慎重に比較

例)手取り月30万円の場合 → 返済上限:月7.5万円程度


ステップ5|買いどきの“自分ルール”を決めておく

以下のような「マイルール」を決めると判断に迷わなくなります。

  • 頭金が○○万円たまったら
  • 子どもが小学校入学前までに
  • ローン返済終了を60歳までにしたいから、○歳までに購入

“いつか”を“このとき”に変えるための判断基準=買いどき条件を明文化しましょう。


第5章:失敗しないための住宅購入チェックリスト

よくある後悔とその予防策

後悔したポイント主な原因防ぐための工夫
月々の支払いがキツいシミュレーション不足月払い上限を設けてから物件探し
教育費とローンが重なった子どもの進学時期を見越せなかったライフプラン表で年次予測を入れる
転職・転勤で家に縛られた将来の柔軟性を考慮していなかった賃貸に出せる物件や立地を選ぶ

◆ まとめ|家を買うのは“ゴール”ではなく“通過点”

マイホーム購入は人生の一大イベント。
でも、それは「幸せな暮らしのスタート地点」であって「ゴール」ではありません。

だからこそ、

  • 家計を整えて
  • ライフプランを描いて
  • 自分に合ったタイミングで動き出す

この3ステップを踏めば、安心して「買ってよかった」と思える選択ができます。


◆ 行動ステップ|今日からできること3つ

  1. ライフプラン表を作って「教育・住宅・老後」の年次予測を入れる
  2. 固定費3項目を今日中に書き出し&見直しポイントを洗い出す
  3. 住宅資金専用口座を開設して、月3万円の自動積立を設定する

このステップから始めれば、“なんとなく不安”だったマイホーム購入が、“計画的に前向き”なプロジェクトに変わります。
あなたの人生にぴったりな「買いどき」、今日から一緒に見つけていきましょう。

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